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『なぜ、たまごの殻なの?』にお答えして。

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先日、某セミナーに出席した時
「で、なぜたまごの殻なの?」
と超ストレートに聞かれました。
その質問に対する私の答えは、
「だって、それしかなかったんだもの」でした。

会場にいた皆さんは首を傾げていました。
それしかなかったって・・・?
どういうこと・・・?

それはそうですよね。
だって、世の中には素敵なクラフトや手芸が沢山ありますもの。
手芸好きな皆様なら、きっと色々な分野に興味を持って
自分の作品世界を広げていらっしゃることと思います。
色とりどりのビーズや天然石、素敵なデザインの布地や毛糸。
手芸店には、創作意欲を刺激し、
楽しませてくれる素材が溢れています。

それなのに、なぜ
『たまごの殻』なの?

そう思われる方も多いのではないでしょうか?

私自身も、東京生まれの東京育ち。
周囲に素敵な手芸店や材料店があるのは当たり前。
いつでも好きな時に直接素材を見ながら選べたあの頃は、
たまごの殻をアクセサリーの素材にしようなどとは、
思いもしませんでした。

それが、夫の急な転勤により、突然の田舎暮らしに。
当時、市内には画材店も手芸店もありませんでした。
市内にただ一件、古ぼけた「毛糸」の看板を掲げたお店があったので
おそるおそる門をたたいてみると
すでに何年も前に廃業したお店だったり・・・。

もちろん、ネットで材料を買うこともできます。
でも手芸好きな方ならわかって頂けると思いますが、
直接見て、手触りや色の組み合わせをあーでもないこーでもないと
考えながら買えなければ
なかなか自分の思うような作品は作れなくて。
じゃあ、都心の大型手芸店まで買いに行く?
そんなの無理!
未就園児が2人もいて、全く身動き取れず。
しかも材料費より交通費のほうが高くなるという状態。
八方塞がりです。

私は生まれながらの『作りたい病』です。
いつも何か作っていたい。なんでもいいから、作っていたい。
それが使えるとか使えないとか、売れるとか売れないとか
人から見て素敵かどうか、なんて、
そんなことは二の次の三の次四の次。
とにかく、作っていられれば、心健やかなのです!!

それなのに、作れない。
材料を買うお店すらない。
そんなとき、ふと目についたのが、
台所の三角コーナーの中でちょっと崩れてひび割れた
『たまごの殻』に、しょうゆが染み込んだ模様だったのです。

・・・・これって、綺麗かもしれない。
相当追い詰められていたんだと思いますw
生ごみが綺麗になる可能性があるように、見えるなんて。
でも、思い立ったら吉日。
すぐに、手持ちの絵の具を溶いてたまごの亀裂に落としてみたのが、
全ての始まりでした。


そうして、手持ちの画材を色々と組み合わせ
たまごの殻の美しい自然な亀裂をいかに活かして、
どうやってそこに魅力的な色を施すか、
どうやったら、自分の好きな形に制作できるのか、
どうやったら平面から曲面へ、立体へと進化できるのか、
どうやったら、田舎にいて、材料店もなくて
ネットで誰でも手に入る一般的な画材を取り寄せるだけでできるか
(交通費はあまりに高すぎる!JRさん!)
色々な方法を試行錯誤し続けて、
早5年目です。

今年は下の娘が5歳になります。
エッグシェルモザイクと娘は、実は同い年なんです。
娘を妊娠した時から、
本業のステンドグラスのほうは、出産に備えて限界まで制作ペースを落としました。
ステンドグラスと言うのは、取扱いに気を付けなければならない素材
(ガラスや各種薬品など)が非常に多いのです。
ガラスはとても美しくて、太古の昔から連綿と受け継が得れてきた
とても魅力的な素材・技法ですが
小さな子を生育する家庭で行うのはあまりに難しい。

たとえ幼児を子育て中でも、
安全に楽しく出来るクラフトじゃなくちゃ、
だめなのです。
たとえ田舎にいても
誰にでも手に入る素材で
ワクワク楽しめるクラフトじゃなくちゃ、
私が、困るのです!


こんな具合で、辿り着いたのが、『たまごの殻』なのです。
ほんとうに、
「だって、それしかなかったんだもの」
状態だったのです。
(目の前に海が広がっていれば、シーグラスを拾いに走ったことでしょう。
海もなかった・・・泣)

でも、そのおかげで、今があります。
美しいものを創るには、
巷で売っている、キラキラした美しい材料じゃなくなっていい。
何気ない毎日の中から、美しいものを見つけ出せばいいんだ。
そのことに気が付かせてくれた大切な素材でもあります。

さあ、どうぞ、あなたもご一緒に、
たまごの殻で世界でひとつだけのオリジナルアクセサリーをつくりませんか?

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画像は、エッグシェルモザイク認定講座アドバイザーコース
受講後に認定を受けた方向けの
スペシャルレッスン用に考えている
ミニミニヨットのブローチです^^


by esperanzaclassic | 2015-05-11 09:52 | エッグシェルモザイク認定講座

栃木県小山市より世界へ発信。卵の殻がまるでカラフルな大理石のように大変身。アクセサリーからインテリア雑貨まで、あらゆる素材に自由自在。資格を取って活躍できる認定講座も開催中。


by uiko shinohara